2018年9月30日日曜日

はじめに

はじめに
 「秋葉街道・天竜川ひとり歩きの旅」がこれから始まります。
 その昔、自分たちの先祖が歩いたかもしれない歴史ロマンに彩られた古道・秋葉街道。八ヶ岳が最東端の源流域であり諏訪湖に源を発する大河・天竜川。これらを、自分の体力がどこまで通用するのかという挑戦も兼ねて、自分の足で歩いて制覇してみたい。それが、私がこの旅を計画した、そもそもの動機でした。実際に現地を歩いてみて、こんなに変化に富んだ素晴らしい「街道歩き」の舞台は日本中探 しても数少ないのでは、と思っています。
 私は、この旅を計画し実行するまでは、自分の生活に関係する古道や河川があるということに対しては漠然とした認識しか持ち合わせていませんでした。”あぁ、通行止め区間のある国道152号線だな”、”諏訪湖に源を発する天竜川があるな”、そんな程度だったのです。たまたま定年退職という節目で、気になっていたこれらの場所を歩いて様々な経験をした時に、厳しい自然の脅威を克服しながら道路や川を利活用して脈々と続いてきたこの地域の発展の歴史、そしてその延長線上で現在生活している人々のことを考え、強く自分自身の心を打つものを感じました。
 秋葉街道や天竜川は、その長い歴史の中で海と山の交流の舞台として、特色ある独自の文化、風俗、風習をこのエリアに広範囲に形づくる重要な役割を担ってきたのです。このエリアが持つ素晴らしい魅力を多くの皆さんにぜひとも知っていただいて、”こんなところがあったのか”、”こんなところに行ってみたい”、”このお祭りを訪ねてみたい”、そんな気持ちになっていただければ嬉しく思います。そし て、今回私が旅したように長期間にわたって歩かなくても、日帰りでも1泊でもよいのですから、多くの方にこの地を訪れていただくきっかけになればと期待するところです。そんなことから、この旅の紀行文の執筆を思いついた次第です。
 この紀行文を執筆するにあたっては、実際に歩いてみたいという方の参考になるよう、私の経験したお恥ずかしい珍道中や出来事もすべて包み隠さず、そのまま掲載致しました。訪れる際には、私がしてしまった迷いや失敗を繰り返すことのないように、楽しみながら訪れていただければと思います。ま た、歩く際の参考となればということで、可能な限り私が歩いたルートを辿れるよう、朝出発してからのおおよその距離と神社仏閣などの目標物も記載しながら、道順を書き表しました。少しうるさく感じ られるかもしれませんが、情報源として活用いただければ幸いです。
 どうかこの紀行文をお読みになった皆さんが、ハラハラ、ドキドキしながら、私と一緒に旅をしているような感覚になっていただければ光栄です。秋葉街道、そして天竜川は、まだまだ知られていない、発掘しきれていない歴史物語に彩られた現代の秘境です。この紀行文を読んで疑似体験をし、もっとこのことを掘り下げて調べてみたい、”この場所に足を運んでみたい”と、お一人でもそう思っていただければ、私の珍道中もお役に立つのではないでしょうか。  それでは、これから9日間、180kmの歩き旅に出発しましょう!

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